mimigah’s diary

明日に幸あれ

記事内に商品プロモーションを含む場合があります。

思い出の本

今週のお題「読書の秋」

 

いつからか、私は読書をしなくなりました。

 

中学生の頃、赤川次郎を夢中で読みあさりました。

 

夜ベットに入ってから本を読むのが好きだったので、いつしか寝落ちし朝になるとページが分からなくなってる事もしばしば。

 

今では残念ながら読んだ本の内容などはだいぶ忘れてしまっています。

あの頃は読書が習慣化していました。(本の匂い好きでした)

 

本から離れてしまった理由を歳のせいにするならば、老眼と眼精疲労、おまけに最近ドライアイと乱視で活字を見るのがおっくうになってきているからですかね。

 

それに子供が生まれて、それ以降何かに集中することが簡単でなくなってしまった自分がいます。(これから取り戻すのだ)

 

そんな私ですが、できればもう一度読んでみたい本はあります。

 

あれは中学2年の頃、赤川次郎ばかり読む私に父親が、コレ全部読んだら5千円あげるよとお金で釣ってきた本がありました。

 

五木寛之の『青春の門』です。

 

なにそれ。

興味が無い本を全巻読むのはキツかったけれど、私はお金欲しさに読むことにしました。

 

何十年も経ち、内容などあまり覚えていませんが、当時中2の少女にはちょっと内容がキツかったのを覚えています。

読んでいる途中で嫌になってきたけれど、ズルしてお金は貰えないので、何日もかけて全巻読み終えました。

なんとも言えない心地悪さが残りました。

 

なぜお金を出してまで父親はあの本を勧めてきたのか全然分かりません。

聞きもしなかったし、感想も言いませんでした。

 

約束通り5千円もらいました。

 

読み終えてから、そんな父親に対してちょっと苛立ちすら覚えました。

5千円じゃ割に合わないとさえ思いました。(勝手です)

 

あの時14歳の少女は、大人の世界はこんなにも奇妙で気持ちが悪いものなのかと嫌悪感を覚えた記憶があります。

それが父親の狙いだったのか・・・?

 

映画化もしましたが見る機会もなく、内容なんてほぼ覚えていません。

本当は素晴らしい作品なのだと思います。

きっと中2の少女には難しすぎたと思います。

 

強烈な部分だけが切り取られて、多感だったあの頃の少女に強烈に突き刺さってしまったのだと思います。

 

きっとその後の私の人格形成に多少なりとも影響を及ぼしたのではないかと考えます。(おおげさか)

 

父親の部屋は亡くなった後、本屋に出張買取を依頼するくらい図書室のような部屋でした。本をこよなく愛する変わり者でした。

 

今もし『青春の門』をもう一度読み返したのなら、父親がなぜそうまでして私に読ませたかったのか、今なら理由が分かるかも知れないな・・・と、亡き父を思うのでした。

 

 

お名前.com