家族からすればあっという間、夫自身からすれば長かったであろう1ヶ月近くに及ぶ入院生活がようやく終わり、晴れて退院の運びとなりました。
腎不全・心不全のため透析を行ってきた夫ですが、ここから薬だけでの治療となりホッとしています。
薬が大量すぎて訳がわからなくなりそうなので100均でピルケースを買い、仕分け作業をしていたそうです。
食前食後・朝昼夜それぞれ違うので大変そうです。
この錠剤以外にも不味いゼリーのような薬もあります。
よって、シャント(透析をしやすくするために腕の動脈と静脈を繋ぎ血管を太くする手術)はひとまず行わないことになりました。
いずれは透析になるだろうとの医者の見立てですが、腎臓の機能は今はギリギリ保たれているようです。
いかにそれを先遅りされられるかが課題です。
食事には今まで以上に気を使わなければいけません。
時間の限られた中、私にとっても家事のハードルが高くなりましたが、そこは色々と試行錯誤していくしかありません。
が、もう家に帰れるのが嬉しくてたまらない夫はテンションが上がりまくりです。
久しぶりの外の世界に触れ「やっぱシャバの空気はうめぇ!」とはしゃいでいました。
帰りにスーパーに寄りましたが、弁当・惣菜コーナーに差し掛かると、端から食い入るように眺めていました。
何もかもを食べたそうな顔をしていました。
そこはもうぐっと我慢しなくてはいけません。
というか、見なきゃいいのに。
入院中から食べたいと言ってたアジフライを買ってあげました。
揚げ物はコロッケ以外は大丈夫だそうです。
ソースはかけずに少量つけながら。
私たちが目指す(高たんぱく低カロリー)ではなく(低たんぱく高カロリー)が良いのです。
かと言って同じ物を今までのように大量には食べられません。
腎不全の食事において大事なのは、塩分・タンパク質・カリウム・リンのコントロール。
あとは本人の水分摂取の管理です。
一度に同じ物を多く摂らず、色んなものをちょっとずつです。
体重の維持も必須です。
家に帰ってからが私にとって辛い時間の始まりでした。
夫は入院中の出来事を私に聞いて欲しくてたまらなかったようです。
病院食を毎日毎食分写真に収めていた夫。
まずそこから事細かに話し始め、一方的なマシンガントークが夜まで続いたのです。
「それ聞いたから。」って言いたいのを我慢して付き合ってあげましたが。
辛かった思い、口に合わずにほとんど食べられなかった病院食、同じ病棟のお爺さん達のこと、色々と気持ちを分かち合いたかったようですが。
さすがに、最後は私の「もういいよっ!」で終わりました。
生検も含め色んな検査の結果、遺伝的なものは検出されず、息子への直接的な心配はなくなり、胸を撫で下ろしました。
今回の病気の原因は若い頃から高血圧を放置し、食べたいだけ食べ、好きなようにやってきた完全にそれのツケでした。
高血圧を甘く見ると本当に怖いです。
脳の検査もして、そちらは大丈夫でしたが、脳梗塞などになる危険性もあったということです。
なんと言っても今働き盛りです。
あまりにまだ若いです。
さすがに今回の事で夫は懲りたようです。
避けられない病気もありますが、防げるものもあります。
家族の中に一人でも病人がいると周りは大変ですよね。
もし自分が倒れたら…と想像したら、とても不安になりました。
きっと我が家が回らなくなってしまいます。
私が一番倒れちゃいけない人だと思いました。
身体はあちこち痛いしガタは来てますが、幸い風邪すら何年もひいてませんし、そうゆう緊張感は保っています。
良くなるのも悪くなるのも日々の小さな積み重ねだと思います。
つくづく思い知りました。
普段から自分の身体と、ちゃんと向き合うことが大事ですね。
そして、今夜は仕事から帰ると散髪してサッパリした夫が「キムタクみたいでしょ?」「めちゃくちゃかっこでしょ!」と、台所でご機嫌にハンバーグを作っていました。
明日からの久々の出勤を前に何だかやる気満々な様子の夫なのでした。