mimigah’s diary

明日に幸あれ

みんなちがって、みんないい

 

私は、8人と看板犬1匹がいる小さな会社で働いています。

小さな会社は少人数のため、良くも悪くもお互いに、目が行き届きすぎてしまうんですね。

 

会社のTさんは「何で分からないかな〜」「何回同じ事言わせる⁈」「聞いてんのかっ!」など、よく社長からなじられています。

時にはきつく叱られる時もあります。

その度に見ててすごく嫌な気持ちになります。

 

Tさんは50代の独身男性です。

大人しくて、人と会話するのがあまり得意ではありません。

正直私も共通の話題がなく、何を話せばいいか分からず、仕事の会話以外はあまりしません。

 

ちょっと手を貸してほしい時お願いすると、こころよく手伝ってくれます。

でも叱られることが多いせいか、いつも自信なさげな様子です。

 

Tさんは同じ事を何度教えてもなかなか覚えてくれないと周りの人は言います。

確かに仕事はできる方ではありません。

でも誰よりも一生懸命さが伝わってきます。

 

ある日の昼休み、ベテランSさんが私に言いました。

「Tさんの事(社長は)文句しか言わないけど、やってと頼んだ事は丁寧にやるから助かるんだよね〜。判断とかはできないけど、指示してあげれば良く動いてくれるし。やれる事をやってもらえば彼はね、ものすごく使えるんだよ。」と。

 

Sさんは視野が広く、それでいて細かいところに気が付き、考えも柔軟な人です。

 

十人十色というように、同じ能力を持った人なんていません。

それぞれの役割が違うから会社はまとまるのだと思います。

得意な事不得意な事フォローしあって。

みんなが同じ能力だったら逆にそれは偏った会社になりますし、ありえません。

うまい具合に性格もバラバラで面白いとさえ思います。

 

SさんがいてTさんはなんとか救われているようです。

 

思い出した詩があります。

金子みすゞの詩です。

 

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『私と小鳥と鈴と』

私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。

 

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「あなたはあなたでいい」

地球上の全ては、違うから生まれることができ、違うからそれぞれが存在することができる。

生まれてきたことが素晴らしいという。

あらゆるものが尊い

 

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金子みすゞ全集です。

30年くらい前に父が私にくれました。

ずいぶんと薄汚れてしまいました。

Tさんの件で詩を思い出し、本棚から引っ張り出してみました。

忘れていた父との記憶もよみがえってきました。

 

しばらく枕元に置いて、いつでも見れるようにしておこう。

 

日々狭い世界で闘う私のバイブルになるかもしれない。